2011年08月09日

『一号線を北上せよ』

少し前に読んだ、沢木耕太郎の『旅する力』(新潮文庫)。

−『旅する力 ―深夜特急ノート―』[2011-06-19]
http://blog.livedoor.jp/miyanofu1204/archives/1649657.html

その「あとがき」に導かれるようにして手にしたのが、同じく沢木耕太郎の本書『一号線を北上せよ』(講談社)だ。

一号線を北上せよ
一号線を北上せよ
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そもそもまずは文庫本を購入したのだが、どうにも様子がおかしい。文庫本の方には「ヴェトナム街道編」と副題が付いていて、ヴェトナムに関する三部作のみが収録されており、お目当ての紀行文が収録されていないではないか。

一号線を北上せよ<ヴェトナム街道編> (講談社文庫)
一号線を北上せよ<ヴェトナム街道編> (講談社文庫)
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というわけで、改めて単行本を買い直す。単行本の方が出版されたのは2003年。書店で本書を手に取って、面白そうだと眺めた記憶がある。だが、当時はまだ『深夜特急』を読み終えておらず、そちらが先だと考えて購入を躊躇したはずだ。

それから8年――相変わらず『深夜特急』は読み途中であるが、それでも本書を先に読んでしまったという、本との巡り合わせの面白さ。

本書に収録されている紀行文は、表題作「一号線を北上せよ」を含めて8編。うち、ヴェトナムに関する「メコンの光」「ヴェトナム縦断」の2編は文庫本に譲るとして、やはりそれ以外が面白い。

  • 写真家ロバート・キャパが愛したパリを歩いた「キャパのパリ、あるいは長い一日」。

  • アメリカのアトランティック・シティで、世界へヴィー級のタイトルに挑戦するジョージ・フォアマンを描いた「象が飛んだ」。

  • 壇一夫が暮らしていたポルトガルのサンタクルスを訪ねた「鬼火」。

  • オーストリアのキッツビューエルで行われたワールドカップスキーの観戦記「落下と逸脱」。
かつて、映像(「NHKスペシャル」)や写真集(『天涯』)等で見たいろいろな場面が、この一冊の紀行文に集約されていることも分かる、そんな感慨もあった。

最後に、文庫本のみに収録されている「雨のハノイ」を読み終え、沢木耕太郎の一号線の旅も終わりを告げた。

自分にとっての「一号線」とはどんな場所なのか、そしていよいよ『深夜特急』も読み終えないといけないなぁと、そんなことをぼんやりと考えている。

miyanofu1204 at 01:11コメント(0)トラックバック(0)Book Review  

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